ゲストは“プロのアシスタント”・佐藤敦弘さん(@link_papa)
29年間マンガの背景を描き続け、「アンサングヒーロー」「SHAMAN KING」「DEATH NOTE」「NARUTO -ナルト-」「ROOKIES」などに携わってきたそうです。
佐藤さんによれば、長年アナログで描かれてきた背景画がここ数年で変化してきたとのこと。また「読み飛ばされる背景こそ素晴らしい」とする背景画へのこだわりや、佐藤さんが持つ“背景の美学”について語られました。
佐藤さんが背景を描いた作品
ROOKIES
シャーマンキング
DEATH NOTE
NARUTO -ナルト-
アンサングヒーロー
チェイサーゲーム
黒魔無双
佐藤さんが幼少期にハマったマンガ
北斗の拳
コブラ
マンガ背景の進化の歴史
1950年代~1960年代 背景は手描き感が強い
鉄腕アトム
おそ松くん
あしたのジョー
ゲゲゲの鬼太郎
1960年代に超リアルな背景を書いていた作品、既に写真を模写して描かれているらしい
1970年代~1980年代 背景がよりリアルに
キン肉マン
タッチ
ドラゴンボール
らんま1/2
高橋留美子先生の作品の背景を比較して、うる星やつら(1978年~)は「まだ形だけを捉えている」、めぞん一刻(1980年~)の頃には「だんだんリアルになっていっている」、らんま(1987年~)で「だいぶリアルな背景、描き込みがだいぶ今風になってきている」
ろくでなしBLUES
1990年代~2000年代 写真のトレースが主流に
SLAM DUNK
GTO
20世紀少年
現代 トレースに加え3DCGも導入
佐藤さんが背景のテクニックがスゴい!と思う名作
タッチ 「緻密な背景」に「シンプルな人物」を描く
背景の密度が結構描かれている、それに反比例して人物の線は比較的落ち着いている
背景をいっぱい描き込んだりリアルに描き込んだりすると作品自体の解像度が上がる
逆に弟・和也がなくなるシーンでは背景を描き込まずキャラクターに集中させる構図になっている
MONSTER 「光と陰のコントラスト」で不気味さを演出
連続殺人鬼・ヨハンの初登場シーン
月明かりの逆光を使って重要人物のキャラクターをベタで表現して見えないようにしている
浦沢直樹先生は作品によって全然タッチが違う
YAWARA!では客席の盛り上がりを縦線で表現、音まで聞こえそうな作品
多重人格探偵サイコ 黒の使い方が芸術的
ここまでベタを落として背景を描くということは怖いこと
この背景で猟奇的な感じを醸し出している
佐藤さん自身が背景を好きになったきっかけ
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 最新技術×アナログの融合
写真を取り込んでから加工し、さらにアナログで加筆している
AKIRA 手描きなのに…緻密すぎる背景描写
1980年代の時代でこの背景を描かれているということ自体、本当にすごいことというかどうかしているとしか言いようがない
大友先生は建物の構造まで研究して描かれている
「AKIRA前」「AKIRA後」と言われるくらいマンガ界の背景がガラッと変わった作品の一つ
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